オーダースーツ専門店 “Peperoncino-SARTO"

服を着る理由?

人はなぜ服を着るのか。

 

皆さんはそんなことを考えたことがおありでしょうか?

今回はそんなお話をしてみます。

 

一般的に被服社会学では「装い行為の動機」として以下の4つがあるとされます。

 

  • 防衛
  • 対他者
  • 対自己
  • コミュニケーションツール

 

・防衛

これは暑さ寒さ外傷などから身を護るために衣類を纏うことを指します。

裸で日常生活をしているところを想像してもらえれば、些細なことが意外と身の危険になりうることに気づかされると思います。

もちろん危険だけでなく、いかに「快適」に過ごすかというのも防衛からさらに一歩進んだものとして、ここでは同じものとして取り扱われます。

 

 

・対他者

他者なくしては「装い行為」という概念はなかなか説明できません。人は他者から「見られること」を常に意識しており、それは同時に社会性とも密接に関係しています。

その人物の特性(キャラクターや社会的地位など)を分かりやすいアイコンとして周りに提示するという役割を「装い行為」が担っています。

また受け取る側がそれを意識していることが自明なので、装う側がそれをうまく利用するという意味でも、対他者に向けての「装い行為」というものは非常に大きな意味を持つのです。

 

 

・対自己

いわゆる「自己満足のためのおしゃれ」がこれにあたります(笑)

ちょっとくだけた言い方をしましたが、実はこれはかなり重要な「装い行為の効果効能」といえます。

「今日の俺はイケてる!」「この服は**のブランドの最新作で〜〜」など、自分の装いに自信のあるときは、自然とその立ち居振舞いにも余裕や貫録を醸し出すことができます。

「自己肯定感」を強めるという意味において、「装い行為」はとても重要な役割を果たします。

 

 

・コミュニケーションツール

これは特にスーツの世界では幅を利かしている要素ですね(笑)

社会学では、『社会において「特定のコミュニティの間にだけ通用するしきたり」の方が「一般的なしきたり」よりも格上であると認識される』とされています。

分かりやすい例えで言うと「オタクの話題」というものがそれにあたり、深いところまで掘り下げた話題についてこられること=熟練者という図式のことです。

実はこれは、どんなレベルの話題の時にでも散見される様式で、「こいつこんなことまで知ってるんか・・・、やるな・・・!」という例のアレです。

何やらライバル意識や共感などの感情を伴うあの感覚ですね。きっとどなたも頻繁に意識される感情ではないでしょうか。

「装い行為」には多分にこの要素が含まれており、「知る人ぞ知るマナー」「ディテールの来歴」「こだわりの仕様」「最新の流行」など枚挙にいとまがありません。

それらを共有できる人間の間だけで楽しむ、という行為もまた「装い行為」の重要な要素の一つとして挙げれ、まさに「他者とのコミュニケーションツール」として機能していると言えます。

 

 

 

 

さて。

ここまで簡単に人の「装い行為」の4つの動機に関して説明してきましたが、実はこれはそれぞれ掘り下げると非常に興味深い内容を伴ってきます。

 

なかなかに奥が深いのです(笑)

 

 

こと「スーツ」に限った話をするだけでもとてもたくさんの話題に広げることができますね。

  • 季節に合わせてどんな生地を選べば良いの?
  • 冠婚葬祭に失礼のない服装や装飾品って?
  • 「勝負スーツ」を作りたい時はどんなディテールにすれば良い?
  • 人とは違ったデザインの服が欲しくなる理由って?

 

ふっと思いつくだけでもすらすらと出てきます。

 

しかもこれら4つの動機はそれぞれ個別に存在するものではなく、お互いに密接に絡み合っており、むしろ明確に切り分けることがそもそも意味のないことなのかもしれません。

 

なかなかに奥が深いのです(笑)

 

 

 

 

では、これらを踏まえた上で果たしてどんな服を選ぶのか。

 

そんな風にアプローチすると、いつもとは少し違った感覚で服選びやスーツのオーダーができるかもしれません。

ぜひお試しいただけましたら。