オーダースーツ専門店 “Peperoncino-SARTO"

スーツの良し悪し(採寸編)

「スーツの良し悪し」に関してのお話。

今回は第2回目ということで、 「採寸」 に関してのご説明をいたします。

 

オーダースーツとは切っても切り離すことが出来ないこの 「採寸」 。これが仕立て屋の腕の見せ所でもあります。

 

その技術の善し悪しの本質を詳しく表現するのは非常に難しい部分もありますので、今回はあまり複雑な部分には触れず、最も基本にして大切な 「採寸箇所」 についてのお話からはじめましょう。

 

 

とその前に・・・

 

オーダースーツにおいて、 「寸法の調節」 と同時にもう一つの重要な点が 「体型補正」 であるというお話は以前にさせていただきました(→ スーツの分類(3)

この「体型補正」に必要な情報は、 「特定の部位の測定」 をするものと 「(標準体型からの)相対的な差異を見積もる」 ものとがあります。

要するに「メジャーを当てて測定する」「メジャーを当てずに測定する」という2つの「体型の見立て」というものがあるわけです

 

 

纏めますと

  1. 部位の長さを計測する(採寸)
  2. 特定部位の長さなどから体型の癖を読み取る(体型の見立て)
  3. 標準体型からの逸脱具合を読み取る(体型の見立て)

 

という3つのことを測るということになります。

 

 

スーツのオーダーの際には、一般的にこの「採寸」と「体型の見立て」を全てひっくるめて「採寸」と表現しています。ちょっとややこしいかも知れません。

 

 

以上のことを踏まえまして「採寸」の良し悪しを量るとするならば、それは自ずと 「採寸箇所の多寡(多いか少ないか)」 であると言っても過言ではないと言えるでしょう。

 

では以下に、極々一般的な(最低限の)採寸箇所と、体型の見立てに必要となる採寸箇所とをそれぞれご説明いたしましょう。

 

 

 

・一般的な採寸箇所(上着)

  • 総丈
  • 上胴
  • 中胴
  • 下胴
  • 肩幅
  • 裄丈{腕丈}

 

・一般的な採寸箇所(パンツ)

  • ウエスト寸
  • ヒップ寸
  • 股下

 

・体型の見立てのための採寸箇所(上着)

  • オーバーバスト
  • 首周囲寸
  • 前丈
  • 後丈
  • 背幅
  • 胸幅
  • 脇周囲寸
  • 手首周囲寸

 

・体型の見立てのための採寸箇所(パンツ)

  • モモ周囲寸
  • 膝周囲寸
  • ふくらはぎ周囲寸

 

 

列挙してみると以外と多いですね(笑)

 

 

 

 

 

一つずつ細かく説明するとキリがないので、以下簡単な説明だけを・・・。

総丈 ・・・ 首の後から床までの長さ(身長に相当する最も大切な丈)
上胴  ・・・  チェスト(バスト)サイズ
中胴  ・・・  ウエストサイズ
下胴  ・・・  ヒップサイズ
肩幅  ・・・  (採寸独特の)両肩の距離の長さ
裄丈{腕丈}  ・・・  首の中心から手首までの長さ{肩先から手首までの長さ}

 

 

ウエスト寸  ・・・  パンツのウエストの周囲の長さ
ヒップ寸  ・・・ 下胴と同じ
股下  ・・・  股下から床までの長さ

 

 

以上がスーツを作る上で最低限必要な寸法です。

これはおそらくどこでオーダースーツを作っても必ず計測されるであろう寸法(採寸)です。

 

 

ではここからは 「体型の見立てに不可欠な」 、あるいは 「より良いスーツを仕上げるために必要な」 採寸箇所のご説明です。

 

オーバーバスト  ・・・  バスト位置で腕ごとぐるりを計測した周囲の長さ
首周囲寸  ・・・  喉仏のあたりの首周りの周囲の長さ
前丈  ・・・  首の後からウエストライン前中心までの長さ(左右)
後丈  ・・・  首の後からウエストライン後ろ中心までの長さ
背幅  ・・・  バストラインの背中の幅長さ
胸幅  ・・・  バストラインの胸の幅長さ
脇周囲寸 ・・・ 腕の付け根の周囲の長さ
手首周囲寸  ・・・  手首のくるぶしあたりの周囲の長さ

 

モモ周囲寸  ・・・  太ももの周囲の長さ
膝周囲寸  ・・・  膝位置の周囲の長さ
ふくらはぎ周囲寸  ・・・  ふくらはぎ(一番太いところ)の周囲の長さ

 

 

このように見比べてみると、最低限の採寸項目では主に「各部位の長さ」に対する測定であり、見立てに必要な採寸項目では「周囲の長さ」や「特定箇所の長さやバランス」であることが読み取れるかと思います。

 

これは取りも直さず、「イージーオーダー」と「パターンオーダー」の最も大きな違いである「体型補正」のための採寸であることに他なりません。

 

ということは、たとえ「イージーオーダー」を謳っている店舗であっても上記のような「体型の見立て」に必要な採寸をしていない(少ない)ようであれば、

 

しっかりとした体型補正を施してもらえない可能性が高い・・・かもしれません。

 

 

 

いかがでしょうか?
オーダースーツにおける採寸箇所の多寡が、スーツの仕上がりに大きく関わってくるということがお分かりいただけたでしょうか?

あるいは「そんなもん、採寸せんでもきちんと見立てとるわ!」とお叱りの声をいただくやもしれませんが・・・。

 

それでもお客様の立場からすれば、より多くの箇所を採寸してもらえる方がより「安心」できるのでは?と思います

 

 

 

またこのような細かい部分の採寸をしておいてもらえると、実は大きなメリットもありまして。

 

 

それは、

「痩せた」「太った」という体型変化を、より細かく把握することが出来ます!

 

スポーツジムなどでもなかなかここまで細かくは計測してもらえませんからね(笑)

 

 

 

そのような利点があることもお伝えして、今回のご説明を締めさせていただきます。

 

 

またそれぞれの採寸箇所の細かな内容やその意味合いなどは、いずれご説明させていただくことに致します。

 

果たしていつ、そこまで辿り着くことになりますやら・・・(笑)
乞うご期待でございます。